華麗なる海外逃亡記

1年半、41ヶ国にも及ぶ(現在進行形)、自分のバックパッカーとしての記録を記した雑記です。

第3話 金満 ~巨大モールに潜む悪夢~

 世界一の巨大ショッピングモール、ドバイモールに到着した私とアンディは、とりあえず探索を始めたのだが、この時私はまだSIMカード問題と格闘していた。そして、アンディと共にドバイモールを物色しながら、GoogleSIMカードについて調べるという圧倒的マルチタスクをこなす中で、私は遂に見出した!!活路!!圧倒的活路!!(カ○ジ風)

 

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当時の私のイメージ画像 (画像はイメージです)

 

そう、私のスマートフォンにはSIMロックがかかっていたのである。そこで私は、時差はあったものの、日本時間としてもまだ浅い時間であったこともあり、すぐさまドコモに電話をかけ、遂に5時間にも及ぶSIMカードとの戦闘を制したのである。

 そして、私とアンディは歩き続けた末、とある物を発見した。ドバイモールの目玉のひとつである、世界一大きい水槽を擁する、ドバイ・アクアリウムである。入場料は5千円強なのだが、乞食の私は魚を見るだけのためにそんなお金をくれてやるわけもなく、入場ゲートの外から、ゲームでいう体験版のような景色を楽しむのであった。ただし、ゲームの体験版のような景色とはいえ、世界一大きい水槽を拝むことは出来たので、ドバイモールは太っ腹である。

 

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ゲームでいう体験版のような景色(十分)

 

次に私とアンディの前に現れたのは、いかにもエスニックなエリア。ショッピングモール内は外国の高級ブランドが立ち並んでおり、気を抜くとアラブ世界にいることを忘れそうになる中、そのエリアにある門の上にはスーク(中東の市場のこと)と書かれており、私達は一転してアラブ世界に引き戻された。

 

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エスニックな門

 

そうこうしているうちに、時間は正午。私とアンディは昼食をとることにした。私たちが選んだのは、ハンバーガーのくせに何故かサンドされておらずに、めちゃくちゃオープンなハンバーガーとイチゴのソーダである。味は美味しかったのだが、やはりショッピングモール内ということもあり、ドバイプライスが私達を襲った(恐らくアンディはノーダメだったのだが)。

 

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何故かサンドされてないオープンなハンバーガ


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めちゃくちゃ美味しかったイチゴのソーダ

 

ここで、ひとつアンディとの会話を紹介しよう。アンディがドバイモール内にある香水の広告のモデルをしていたデュア・リパの写真を見た時の話だ。彼はおもむろにこう言った。

 

アンディ「僕、世界で2番目にデュア・リパが好きなんだよねー」

私「じゃあ世界一は?」

アンディ「僕の彼女。彼女はアメリカ人のモデルなんだよねー」(ケータイを取りだし写真を見せる)

私「おー、めちゃくちゃ美人やねー」(訳:バチクソ美人やないかい。ふざけんな。Fuc× you!!)

 

今思えば、あの会話において私は、彼女自慢をしたいアンディの手のひらで転がされまくっていたのであろう。

 ともあれ、食事を終えた私達は散策を再開。次に目にしたのは、少年時代に映画館で見た映画、『ナイトミュージアム』のような光景であった。なにゆえこんなものがショッピングモール内にあるのか、理解に苦しんだ私であるが、それがリッチということなのだろうと無理矢理納得することにした。

 

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ショッピングモールには有るまじき恐竜の標本

 

 こうした場所を通過し、ドバイモールの端まで来た私たちの目に飛び込んできたのは、バカでかい滝と圧倒的に謎なモニュメントであった。何故、ショッピングモール内に巨大な滝があるのか?もはやそんな野暮な疑問は世界一のショッピングモールには通じないのである。

 

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バカでかい滝と謎のモニュメント

 

 最後に私たちの目の前に現れたのは、ドバイらしいと言えばドバイらしい、圧倒的な高級車である。ドバイモールの一角に飾られたその車は、Wモーターズのフェニア・スーパースポーツである。この車は世界限定25台生産であり、価格は新車価格で1台2億円以上。しかし、これがただ飾られていたというわけではないのである。期間内に約1万円以上の買い物をした顧客のレシートには、くじ番号が添付されており、そのうちの一人が当選者としてその車を手にするのである。もちろん乞食の私には、くじ番号が割り振られることすらなかったのだが......

 

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フェニア・スーパースポーツ

 

ちなみに、このドバイモールにはとある落とし穴(ではないが)があった。というのも、この広大なドバイモールには、私の記憶が正しければ4つの、少なくとも3つのス○ーバッ○スがあったのである。そう、1か月前に私が面接落ちしたあの大手コーヒーチェーン店である(n回目)。そうしてス○ーバッ○スの呪縛から逃れられない私とアンディはドバイモールの探索を終え、次の日にまた共に探索する約束をして、その日は別れたのであった。遂に単独行動を開始した私を待ち受けていたものとは.....

 

次回、旅で最初の夜

                                                       to be continued.....