第11話 夜景 ~世界最大のビルから望む都会~
その日の私は、夜にブルジュ・ハリファへの登頂(大袈裟)とドバイ・ファウンテンでの水上ウォークを控えていたものの、日中にはジュメイラモスクという、ドバイで最も美しいと言われるモスクに行く以外に予定がなかった。そこで、昼まで寝てからジュメイラモスクに出向いた。到着した私は、敷地内を少し散策し、モスクの中へ入ろうとした。しかし、入口がよく分からなかったので、事務所のようなところに入ってみた。驚いたことに、この事務所のような場所の中は、さながら宮殿のような造りになっていたのである。そして従業員のような人を見かけたので、モスクに入りたいという旨を伝えた。すると、何故かその日は入れないと言われ、また入ろうと思うといくらかお金がかかるということを伝えられた。外観の美しさに満足しきっていた私は、特に中に入ろうともしなかった。また当時はモスクというものをほとんど見たことすらなかったため、中に入ることに対して敷居の高さを感じていたのだ。今では、モスクというのは極めてオープンな場所(1部除く)であり、いくら宗教施設とはいえ、マナーさえ守ればそこは異文化体験をする格好の場であることを知っている。後でジュメイラモスクに入れなかったことと、そこでお金がかかるということをライドに伝えると、宗教施設であるモスクで入場料を取るのは極めて愚行だと言っていた。
ジュメイラモスク
ジュメイラモスクの事務所みたいな場所
事務所みたいな場所の内部その1
事務所みたいな場所の内部その2
予想外の短時間でジュメイラモスクをあとにした私は、その後、夜まで何をするかという問題に直面した。とりあえずドバイモールに行けば、何かがあるだろうと思い、ドバイモールまでバスで向かうことにした。しかし、いくらGoogleマップがあったとしても、私は市バスなどの短距離バスが非常に苦手なこともあり、誤ったバスに乗ってしまった。間違って着いた場所からは、ブルジュ・ハリファが思ったより近く見えたので、そこまで暇つぶしも兼ねて歩いてみることにした。この道中に不思議な建物を見つけたので、そこに入ってみることにした。そこは、エティハドミュージアムという場所で、アラブ首長国連邦の歴史、各首長国の歴史を学べる博物館であった。幸い、学生証を見せることでディスカウントを受けることが出来た。中には、各首長国の初代首長に関わる様々な品などが展示されていただけで、非常に面白くないミュージアムであった(オブラートがゼロ)。とはいえ、真夏のドバイにてエアコンが効きまくった場所をせっかく見つけたため、意味もなく長居してみた。乞食魂(帝京魂風)。
エティハドミュージアム
各首長国の初代首長の持ち物の展示
エティハドミュージアムでの休憩を終えた私は、徒歩でブルジュ・ハリファ、ドバイモールに向かうことにしたのだが、ブルジュ・ハリファは巨大すぎて近くに見えても、非常に遠くにあるということに気づいたので、バスで向かうことにした。ドバイモールに着いた私は、ひとつ面白いショップを見つけた。リヴァプールFC公式ショップである。そこでは、 歴代の名選手や現所属選手達のサイン入りユニフォームなどが多く飾られて(販売されて)いて、チェルサポの私でもテンションが上がった。
ドバイモールのリヴァプール公式ショップ
ユニフォームコーナー
そんなこんなで時間を潰していると、ブルジュ・ハリファ登頂(大袈裟)の時間になったので、私はドバイモールの地下にある入場口に行った。ブルジュ・ハリファ124階(5千円ちょいで行ける限界の階数)へのエレベーターに到着するまで、しばらく並ぶこととなり、しばらく並ぶと、エレベーターの前でデジタル写真撮影があった。あれは非常に謎である。遂にエレベーターに到着し、私はエレベーターに乗った。同じエレベーターには子ども連れの夫妻が。124階でも十分な高さなこともあり、エレベーターが上昇するにつれ、気圧で耳がやられる。子どもたちは耳を塞いで、口を大きく開けていた。子ども好きなな人が見れば悶絶物の光景だったのだろう(筆者は子どもが苦手)。エレベーターの中では、謎の演出が。エレベーターの中で謎のライトアップがなされ、謎のアラビアンな音楽が流れて、1分少々で124階へ到着。外に出ると、非常に美しいドバイの光景が。昼と夜の光景が見たかったので、夕方の日が傾きかけてきた時間に予約したため、最初はドバイ全体が明るい状態で見渡せた。それはそれで綺麗なのだが、もちろんメインは夜景です。そのフロアを一周するうちに、ドバイの様々な光景が楽しめる。ドバイモールやドバイ・ファウンテンの噴水ショーを上から眺めることも出来る。噴水ショーは下から見る方が綺麗ということに気づいたが、そこには触れないでおこう。圧倒的なネオンを見ていると、乞食な私でも、場酔いして、ブルジュ・ハリファの置物をショップにて買うことになってしまった。場に流されるのも考えものである。124階を終えると、ほぼ景色は変わらないのだが、125階の展望フロアに向かう。これらのフロアは階段で繋がっているのだが、これまた宮殿のような階段であり、リッチを感じざるを得なかった。あの瞬間は私は人生で最も乞食から離れられた瞬間だったのだろう。
ブルジュ・ハリファ125階からの景色(昼バージョン)
ブルジュ・ハリファ125階から望む夜景
124階と125階を繋ぐリッチな階段
素晴らしい光景を2時間ほど居座って楽しんだ後(長い)、私はエレベーターを降り、ドバイ・ファウンテンの水上ウォークに向かった。しかし、水上ウォークまでに少し時間があったため、夜のドバイ・オペラを軽く見物しに行き、ドバイモール内のフードコートで夕食をとることにした。そろそろ日本食が恋しくなっていた私が選んだのは、和食料理店。その名もUMAMI。さぞかし美味いのだろうと思い、楽しみにしながらメニューを見ると、ほとんど日本食らしい日本食が見当たらない始末。結果、日本食が恋しかったのにもかかわらず、私はステーキ丼を注文した。UMAMIという名前の時点で、旨みは保証されているはずのため、私は気にしなかったのである。そして、ステーキ丼を受け取った私は衝撃を受けた。そう、訳が分からないほど不味かったのである。謎の付け合せのキャベツなどが添えられたカスカスの肉。私は怒りのあまり半狂乱になりながらも完食し、気を取り直して水上ウォークへ向かった。
美味くないのにUMAMI名乗る詐欺の証拠
カスカス肉と謎の付け合せ丼
水上ウォークと言っても、極めて近くの位置でドバイ・ファウンテンのショーを見られるというだけであるので、慣れもあったのか、そこまでの感動はなかった。そしてその後、何故か飽き足らずに、ショーを楽しむためのスポットとして有名なドバイモール前の橋からドバイ・ファウンテンのショーを楽しんだ。その位置が個人的にはベストスポットだと感じた。そしてその後、帰宅した私は、金銭問題から、帰国を急ぐ必要性に駆られ、次の目的地に向かうため、2日後にドバイ発のボスニア・ヘルツェゴビナの首都、サラエヴォ行き航空券を予約し、私は床に就いた。ドバイでの最終日を迎えた私を待っていたものとは.....
次回、ドバイ編最終回
to be continued......