華麗なる海外逃亡記

1年半、41ヶ国にも及ぶ(現在進行形)、自分のバックパッカーとしての記録を記した雑記です。

第13話 衝撃 ~新たなる地での旅の始まり~

 ドバイのLCCであるフライドバイのフライトに搭乗した私は、離陸してすぐに面白い形の島を見つけた。綺麗な三日月形の島である。また、ドバイの上空からですらブルジュ・ハリファは見ることが出来た。

 

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三日月形の島

 

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フライドバイの機内食

 

しかし、そんな折にいきなりとある問題に行き当たった。ドバイの宿を出発する前に十分にスマートフォンを充電しきれていなかったのだが、私は慌ててはいなかった。というのも、飛行機内で充電をすればいいと考えていたからである。しかし、人生初のLCCに搭乗した私は衝撃を受けた。そう、機内にコンセントがないのである。また、私のスマートフォンは言うまでもなく極めて古いモノのため、バッテリーがダメになっていた。そのせいで、使っていなくても勝手に充電が減っていったのである。また、6時間ほど極めて狭いLCCの機内で満員の中、ひたすら座っているのは辛かった。ともあれ無事に空港に着くことが出来たのだが、そこでこの問題を解決する必要に迫られた。そういうのも、ドバイにいる間にサラエヴォにて私を泊めてくれるホストの方を見つけていたのである。名前はエディン。40歳ぐらいのボスニア人男性である。私は直ぐにエディンに会おうと思っていたのだが、充電がなく、SIMカードすらなかった。しかし、ドバイでス○ーバッ○スに救われまくった私が焦るわけがない。そう、私たちにはス○ーバッ○スがついているからである。まずは空港で入国審査を終えて、荷物をピックアップすると、私は空港カフェの辺りで1人の空港職員に話しかけた。「スターバックスってどこにある?」私は聞いた。すると、とんでもない返答が返ってきたのである。「ボスニア・ヘルツェゴビナスターバックスはない。」衝撃であった。途方に暮れることになった私は、何とかして歩いてエディンの家までたどり着こうと考えた。しかし距離にして15km。もちろん歩く距離ではないのである。私は空港職員に続けてスマートフォンを充電できる場所がないか尋ねた。すると彼は、私たちが立っていた場所のすぐ脇を指さして言った。「そこの使っていないアイスクリーム冷蔵庫の後ろにあるコンセントを使え。」空港のカフェの前の壁にあるコンセントで、乞食はスマートフォンを充電することになった。とりあえず30%溜まるまで、待つことにし、それまでひたすら待機。30%溜まると、次の問題であったSIMカード問題を解決することにした。SIMカードを買える場所を尋ねると、空港を出てすぐのところにあるキオスク(小さい屋台コンビニ的なもの)で買えると言われたので、私は空港そこで感じのいい肥満おばちゃんに案内を受けながら、クレジットカードでSIMカードを購入して、無事インターネットに接続することが出来た。私はもちろん、エディンに連絡し、その後自分で公共交通機関を使ってエディンの家まで向かおうとした。しかし、公共交通機関すら遠く、仮にたどりつけても、ボスニアの公共交通機関ではクレジットカード決済は通じない。仕方なく私は、非常に申し訳なかったのだが、エディンに車で迎えに来てもらえないかと頼んでみた。ボスニア編で今後、幾度となく描くことになるので先に述べておくと、エディンはホスピタリティレベル99の聖人なのである。それ故に、1時間以上もかけて私を車でピックアップしに来てくれたのである。私は感謝を述べつつ、乗車し、会話を始めた。たわいもない会話を続けていると、夕食時であったこともあり、エディンは私は彼がお気に入りのレストランに連れていってくれた。ボスニア飯第1号は、やはりというかなんというか、バルカン半島といえばこれ、という感じの料理、チェバプチッチ(通称チェバピ)と呼ばれるものであった。話には聞いていたので、いつか食べようと思っていたものの、いきなりこれをいただけるということで、私はテンションMAXでチェバピを注文した。出てきたものは非常にシンプル。肉の塊、みじん切りの玉ねぎ、薄いが内側が開いているふわふわのパン。たったそれだけなのだが、非常に美味しかったのである。好みでガーリッククリームチーズを添えたりして食べるのだが、それもまた絶品である。そして、飲み物なのだが、バルカン半島では、このチェバピには飲むヨーグルトを合わせるという伝統があったので、私もそうすることにした。これが非常にマッチして、これ以上ないコンビネーションであると感じた。

 

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ボスニア飯一発目のチェバピ

 

 チェバピを食べ終えると、私とエディンはエディンのアパートに向かった。到着すると、彼は一つの事実を私に伝えた。彼はサラエヴォから車で1時間半ほど走った街に彼の母と住んでおり、アパートは空き状態で所有しているらしいのだ。彼は多忙な人であったので、アパートに着くとスグに「明日の朝、仕事前に会おう」とだけ伝えて、スグに眠ってしまった。私も疲れていたので、スグに荷物を整理し、床に就いた。次の朝、深く眠る私を起こさずに、スグに出かけた。結局、彼と私が再会するのは、かなり後の話になった。

 

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長期間に渡って1人で使用したアパートの一室


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アパートの窓からの景色

 

彼は私に鍵を渡して去っていたので、私は次の朝、早速サラエヴォの街に繰り出すことにしたのである。幸い、このアパートはサラエヴォ中心街から徒歩10分ほどの素晴らしい立地にあったのだある。サラエヴォの街での観光を始めた私を待っていたものとは.......

 

次回、悲しき街の現在

                                                       to be continued.....