華麗なる海外逃亡記

1年半、41ヶ国にも及ぶ(現在進行形)、自分のバックパッカーとしての記録を記した雑記です。

第6話 迷走 ~アンディとの別れ~

 ドバイ中心街から人工島、パームジュメイラに渡るため、私とアンディは電車を乗り継いだ。パームジュメイラの綺麗さとリッチさを知るには、上空から見下ろす他ないのだが、この人工島はその名の通りヤシの木の形をした島であり、そこにはウォーターパークやショッピングモールといった一般人も入ることが出来るエリアだけでなく、その島の住人や宿泊者しか入ることの出来ないプライベートエリアも沢山あり、世界中からリッチな方々が集まるという場所なのである。つまり、ハイスペニキことアンディはともかく、極東の島国の鹿と大仏の県産の乞食である私は行くことすらはばかられる場所なのである(もちろん図々しい私は極東乞食魂を見せつけに行ったのだが)。パームジュメイラに向かうまでの電車は、それその物が観光対象となるほどに美しい景色を楽しめるものであった。というのも、海の上を走るため、海が両側に見えるのと、有名なリッチホテルであるアトランティス・ザ・パームが綺麗に見えるのである。

 

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上空から見たパームジュメイラ

 

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世界の車窓から(パームジュメイラ編)


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アトランティス・ザ・パーム

 

 私達が到着したのは、ヤシの木の幹の下の部分である。ここでは、もはやドバイではコンビニよりも多い(大嘘)巨大ショッピングモールと遊歩道が私達を出迎えた。ショッピングモールに完全に飽ききっていた私とアンディは華麗なスルーをかまし、すぐさま遊歩道を歩きに向かった。というのも、私達は夕焼け頃にパームジュメイラのビーチに行きたかったのである。そして、遊歩道を歩く私達の周りには、ランニングを楽しむ人々、優雅に練り歩くブルジョワご老人などなど、様々な人が各々の時を過ごす姿があった。そうして長い遊歩道を歩く私達は遂に、遊歩道の終わりに来たのだが、ここでまさかの事態が発生した。というのも、自動車専用道路に合流してしまったのである。道を探しては見たものの、それ以外には行けそうな場所もなく、Googleマップもあてにならない有り様であった。途方に暮れた私達は、お互い相手が漢(おとこ)ということもあり、ロマンチックな雰囲気を望めなかったため、来た道を引き返し、特に何もすることもなく、ただただブルジョワご老人を眺めただけでパームジュメイラを後にした。その頃には日没となっており、帰りの電車からもパームジュメイラの綺麗な夜景が見られたのだが、私のiPhone8plusでは力不足であり、綺麗に撮影出来なかった。そして本土に戻り、中心街への電車に乗り換える際には、ドバイの学校を発見した。やはりドバイは学校すらリッチな仕様であり、奈良県の中でも財政状況が下から数えた方が速いぐらいのとある市にある公立の小中学校出身の私は、最初はそれが学校とすら気づかず、ただの政府系の建物だと思っていたのだ。

 

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パームジュメイラの遊歩道


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ドバイのリッチな学校(嫉妬からか写真がテキトー)

 

 ドバイ中心街に戻ってきた私達は、最後の晩餐をしようと、ディナーに良い場所を探すことにした。最後の晩餐というのも、アンディがドバイに来た理由は、観光というよりも、むしろ仕事がメインだったようで、その次の日からはそちらに時間を取られてしまい、乞食に付き合っている暇は無かったのである。私も私でとあるクレイジーなことをする必要があったので、それにアンディを巻き込むわけにはいかなかったのだが、その話については次回に回すとしよう。しかし、なかなかいい場所が見つからず(そもそもその地区にはレストランが少なかった)、結局なんとか見つけることが出来たピザ屋で最後の晩餐を楽しむことにした。シンプルなピザと非常に体に悪そうなミルクシェイクという、極めてアメリカンな最後の晩餐をチョイスした。ピザに関しては形が歪なものの、味は極めて普通であったのだが、ミルクシェイクは異様に美味しかったこともあり、ピザが来る前にほとんどミルクシェイクは無くなってしまったほどである(ペース配分を考えられないアホ)。

 

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低脳未熟を露呈させられたミルクシェイク


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形が歪で味は普通なピザ

 

 食事を終えると、アンディはホテルに戻るということだったので、私達はお互いの宿に戻ることにした。そしてアンディと私は、また地球上のどこかで会う約束をしてその場をあとにした。後日談としては、この別れから半年後にアンディから連絡があり、その内容は、彼が近々東京に来るということで、その際に久しぶりに合わないか、というお誘いだったのだ。しかし私はその時日本におらず、無礼ながらも、乞食ごときがハイスペニキのお誘いを丁重にお断りせざるを得なかったのである。そしてそれ以来、特に何の連絡もなく、未だに再会を果たせていないのだが、いつの日か再会は叶うのであろうか....。いずれにせよ、ホテルに戻った私は、特にすることもなく、すぐさま調整が難しいシャワーを浴びて、眠りについた。そうして迎えた3日目、私はとあるクレイジーなことをすることになるのだが......

 

次回、クレイジー超特盛

                                                                        to be continued.....