華麗なる海外逃亡記

1年半、41ヶ国にも及ぶ(現在進行形)、自分のバックパッカーとしての記録を記した雑記です。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第11話 夜景 ~世界最大のビルから望む都会~

その日の私は、夜にブルジュ・ハリファへの登頂(大袈裟)とドバイ・ファウンテンでの水上ウォークを控えていたものの、日中にはジュメイラモスクという、ドバイで最も美しいと言われるモスクに行く以外に予定がなかった。そこで、昼まで寝てからジュメイラモ…

第10話 巨大 ~新たなる友人との出会い~

ホステルでのチェックアウトを済ませた私は、その日からしばらく泊めてもらうことになっていたホストの家に到着した。彼の家はエミレーツモールという巨大ショッピングモール近くのマンションの9階の一室にあった。彼の名はライド。ヨルダン出身ながら、長ら…

第9話 平和 ~ドバイのホスピタリティ~

ホステルでの支払いを終えた私は、正直少しだけ不安であった。というのも、バックパッカー経験が無かったことから、旅行で宿泊=ホテルであったので、ホステルという何人もの人との共同部屋がストレスになると感じていたのである。そのホステルの経営をして…

第8話 危機 ~大事件発生~

再び宿探し難民となった私は、前日のようにカウチサーフィンで乱れ打ちをしつつ、観光をしながら待つことにした。まずはシャルジャからタクシーでパームジュメイラへ。アンディと行けなかったパームジュメイラのビーチに行くため、タクシーの運転手にパーム…

第7話 狂人 ~過酷な宿探し~

3日目の朝を迎えた私は、早速観光とともに、重要な任務を遂行するために、オールドドバイに向かった。オールドドバイには、アラビアンな雰囲気の建物や、スークと呼ばれる中東の市場がある。ここで、私の重要な任務についてだが、これは極めてクレイジーなア…

第6話 迷走 ~アンディとの別れ~

ドバイ中心街から人工島、パームジュメイラに渡るため、私とアンディは電車を乗り継いだ。パームジュメイラの綺麗さとリッチさを知るには、上空から見下ろす他ないのだが、この人工島はその名の通りヤシの木の形をした島であり、そこにはウォーターパークや…

第5話 旅人 ~忘れ物の代償~

2日目の朝を迎えた私は、その日もアンディと散策を進めるべく、とある駅にて彼と合流した。とある駅というのは、数あるドバイで有名なショッピングモールの中で、私が最も行きたかった場所の前にある駅である。そのショッピングモールとは、イブン・バットゥ…

第4話 野生 ~まだ見ぬ食事と作法~

夕方頃にアンディと別れ、ドバイモールをあとにした私が向かったのは、ブルジュ・ハリファである。ブルジュ・ハリファとは面白い建物なもので、どこからでも(飛行機からでさえも)見えるような建物なのだが、そこに到達することは容易ではない。実際に、アン…

第3話 金満 ~巨大モールに潜む悪夢~

世界一の巨大ショッピングモール、ドバイモールに到着した私とアンディは、とりあえず探索を始めたのだが、この時私はまだSIMカード問題と格闘していた。そして、アンディと共にドバイモールを物色しながら、GoogleでSIMカードについて調べるという圧倒的マ…

第2話 大物 ~第1村人発見~

ドバイ国際空港に降り立った私に話しかけてきたその男は日本人であった。今となっては、旅の途中に日本人を見ると、旅をしている感が薄れるため、私は露骨にテンションを落とすのだが、当時は初めての孤独の海外旅行ということもあって、日本人と話せること…

第1話 逃亡 ~別世界との遭遇~

その日、初めての成田空港に降り立った私は10年振りの海外旅行という名の現実からの「逃避行動」に胸を踊らせていた。当時の私にとって、海外経験と呼べるようなものは9歳の時に家族旅行で1週間滞在したグアムでの思い出だけであった。そこでの経験が、英語…

第0話 明暗 ~プロローグ~

今、私は途方に暮れている。全ての始まりは1年半前。振り返れば、何でもない日常の出来事であったのだが、あれから自分の人生は良くか悪くか大きく変わってしまったのである。 2021年4月末の某日。その日、私は都内の某有名コーヒーチェーン店の面接に落ちた…