華麗なる海外逃亡記

1年半、41ヶ国にも及ぶ(現在進行形)、自分のバックパッカーとしての記録を記した雑記です。

第0話 明暗 ~プロローグ~

 今、私は途方に暮れている。全ての始まりは1年半前。振り返れば、何でもない日常の出来事であったのだが、あれから自分の人生は良くか悪くか大きく変わってしまったのである。

2021年4月末の某日。その日、私は都内の某有名コーヒーチェーン店の面接に落ちた。とても自信のある面接であったため、少しばかり堪えた。

 

そしてふと地元に帰りたくなり、その夜地元の母に電話でGWに帰省する旨を伝えたのだが、これが全ての始まりであった。これを聞いた母はこう言った。「あんた帰って来やんといて。」非情である。そこで気づいたことは、自分の居場所が日本にはないという現実であった。当時は大学の授業がオンラインで行われていたこともあり、幼い頃からの目標のひとつを叶えることにした。その目標というのは、海外旅行に行くという、非常に大学生らしく、そしてまたちっぽけなものであった。しかしながら、もちろん当時はコロナウイルスによるパンデミックが世界的に猛威を奮っていた時期であったので、行ける国の選択肢も少なかった。記憶するところによると、ドバイ・トルコ・ハワイ・メキシコ・バルカン半島の数カ国という面々であった。そこで、英語が通じ、治安が良い、ホスピタリティが良いという話を聞いていたこともあり、ドバイに決めたのですが、調べるにつれ、トルコにも行きたくなり、ドバイでVISA無しで滞在できる最長期間(VISA無し滞在期間延長申請をした場合)の2ヶ月、トルコで3ヶ月滞在してから帰国しようと考えてました。この時はまだ、当初のプランが跡形もなく崩れ去るのも知らなかったのです。そうして、親の拒否も無視してGWに帰省し、パスポート取得などの準備を済ませ、出国を決意しました。母からは、もちろん大反対を受けましたが、高校を中退した時と同様、完全に無視をしての実行。親不孝者です。そうして、バイト先には半年から1年の休暇を承諾を得て、来る2021年5月24日、これから自分の身に降りかかる様々な出来事を知る由もなく、私は最初の地、ドバイへ旅立ったのである。

                            ドバイ上空からの景色

                                                  to be continued......